バイクに乗り、私達は病院へ向かった。


病院に着き、レントゲンを撮り診察の順番を待っていた。


「煉…、骨折れてるかな…?」



「こればっかりは、わかんねぇな…。」


しばらくして、名前を呼ばれ診察室に入った。


「緋莉!さっき整形外科の先生に名前を聞いて、もしかしたらと思ったが…やっぱりお前だったか…。」

「大貴にぃ!あれ?ここの病院だったっけ?」



「いや最近、ここの病院に転勤になったんだ。」



この人は栗原 大貴。


通称、大貴にぃ。


私と愛莉の異母兄弟。



「緋莉、とりあえず骨は折れてない。ヒビが入ってるがな…。」



「本当!?骨折れてなくて良かった〜!」


私は煉の方を向き、ニコッとしながら話した。


「煉!骨折れてないって!良かったね〜!」



「いや、ヒビ入ってるんだから良くはねぇだろ。」



煉と話をしていると大貴にぃが煉に話しかける。


「煉。緋莉に何があった?説明しろ。」



「はい、実は「…え!?ちょっと待った!!!煉と大貴にぃは知り合いなの!?」


私は驚いて大声を出してしまった。


私の言葉に大貴にぃが答えてくれた。



「緋莉。話してなかったが、俺は…刃龍の初代総長だ。煉は2代目でな。緋莉と愛莉が氷蓮に入ったのは知ってた…。だからあえて2人には黙ってたんだ。」



「そうだったんだ…。もしかして奥さんの有華さんは…刃龍の姫だったの…?」



「あぁ、そうだ。俺と有華は同じタイミングで刃龍を辞めた。それからは刃龍は煉に任せたんだ。」



大貴にぃの話に驚きつつ、私は今まであったことを大貴にぃに全て話した。


愛莉のせいで私は氷蓮を追い出されたこと。


怪我をしていた私を、たまたま煉が見つけたこと。


私が刃龍の下っ端になったこと。



私の話に大貴にぃは、めちゃくちゃ驚いていた。


「緋莉、とりあえずしばらくは安静にしてろ。学校にも行くな。これ以上、何かされたら入院…もしかしたらそれ以上かもしれない。」



「…うん。そのつもり。」



「必ず2週間に1回は病院に来い。経過を見るからな。」



「わかった。」



大貴にぃは私に話した後、煉を見た。


「煉、緋莉のことを頼んだぞ。いくら刃龍の下っ端になったとはいえ、コイツは女だ。無茶はさせるなよ。」



「はい。わかってます。」



「じゃあ緋莉またな。何かあったら連絡しろよ?俺はお前の味方だからな。」



「うん!大貴にぃ、ありがとう!」



私は大貴にぃに手を振り、煉と診察室を出
た。


「まさか、お前が大貴さんの妹だったとはな。」



「煉こそ!大貴にぃと知り合いだったなんて思わなかったよ!」


病院で会計を済ませ、私達は煉のアパートに戻った。