私は少し驚いた。


まさか信じてくれるとは思っていなかったからだ。


しかし幹部達の言葉に下っ端達は更にざわついていた。


そのうちの下っ端の1人が煉に1つの疑問をぶつけた。



「煉さん!なんで、この女の言っていることが本当だと思うんすか?」



「…コイツの…緋莉の目を見ればわかるからだ。」



「…わかりました!俺は煉さんの言うことを信じます!」



その言葉に他の下っ端達も同じことを思ったらしく、同意の声が沢山聞こえた。


私の目からは知らぬ間に涙が溢れていた。


それに気付いた煉が自分の服で涙を拭ってくれた。



「さて、ここからが本題だ!俺は緋莉を刃龍の姫にしたいと思っている!皆はどうだ?」



煉の言葉に皆が拍手をする。


煉はニッと笑い私の方を向く。



「緋莉、刃龍の姫になってくれるか?」



「…私は…。私は姫にはなりません!」



煉以外のメンバーはポカーンとしている。



「じゃあ、ここを出て行くのか?」



「ううん。煉、お願いがあるの。」



「なんだ?」



「私を下っ端にしてほしいの!」



その言葉に、とうとう煉もポカーンとした。



「皆…私、氷蓮に仕返しをしたい!でも私は喧嘩をしたことは一度も無い…。だから喧嘩を教えてほしいの!皆の力を沢山借りることになると思うけど…私はどうしても仕返しがしたい!氷蓮が許せない!だから…下っ端として仲間にしてください!お願いします!」



シーンと静まり返る。


すると煉が笑い出した。



「ふっ…、あははははは!!緋莉!お前、面白すぎるぞ!気に入った!お前は今日から刃龍の仲間だ!お前ら、いいよな!!」



その言葉に皆が騒ぎ出す。


笑ってる人も居る。


拍手をしてる人も居る。


私はニコッと笑った。



「お前ら!今日はこれで解散だ!幹部と姫は少し残れ。」



煉に言われ、幹部と姫が残った。


それぞれ自己紹介をし、私と煉はアパートに帰った。