うっとりと陶酔した声で囁かれる言葉をなんとか振り切ろうと、彼女は敢えてキツく声を絞って受け答える。 込み上げてくるのは…渇き切った心。 満月になると身体が悲鳴を上げていく。 どうか、どうか本当のオレを見て欲しい。 ずっとオレだけを見ていて欲しい…。 「ねぇ…今だけでいいから…抱き締めてもいい?」 「……っ」 彼女の返事を待つ前に、彼はぎゅうっと彼女を腕の中に閉じ込めてしまう。 「愛しい、最愛の人…どうか、今だけ…」 世界の果てまで…二人でいけるなら…。 貴女と今宵…破滅の道まで…。