「大丈夫か?」



燿くんに電話をすると、すぐに家に駆けつけてくれた。



「……うん」


「なにがあったんだよ」



座り込んでるあたしの横にしゃがんで、そっと頭を撫でる。



「これ……」



握りしめてぐちゃぐちゃになっている紙を床に置く。



「ん?」



あたしが床に置いた紙を拾い上げる。



「……え?」



拾い上げた紙を見て、あたしの顔を見上げる。



「笑っちゃうでしょ……?結婚すらできてなかったの」



自分で言って、本当に笑えてくる。



「笑うなよ!笑いたくもないのに、何笑ってんだよ!」



グイッと引っ張られて、力強い燿くんの腕に包まれる。



「だって、笑うしかないじゃん。結婚してるから何があっても耐えてきたのに……。そんなのなにもなかった」


「あいつ……」



あたしを抱きしめる腕が震えているのがわかる。

燿くんはいつもあたしの味方でいてくれる。
それがどんなに心強いか。