それでも、実費のみで司君が装花を担当してくれるということは、既に決まった事実だ。
私はそれを推し進める義務がある。
震える声を必死に隠し、佐藤さんに告げる。
「桜庭さんは一度、佐藤さんに装花について話をすることを望んでいます」
桜庭さんと言った瞬間、胸が再び熱く燃える。
「佐藤さんのご都合のつく時間に……」
そう言葉を発した瞬間……
「明日がいいです」
佐藤さんはまたまた無理難題を押し付けてくる。
「明後日から仕事が忙しくて……
それから、旅行の予定もあって……」
式はすぐそこまで迫っているのに。
心の中でため息をつき、
「装花担当に聞いてみますね」
出来る限り明るい声で答えた。