『装花の件、担当する人が見つかりました』
佐藤さんにメールを入れると、昼休みに彼女から電話がかかってきた。
「さっ……桜庭司ですか!?
ほっ……本当に桜庭司が実費だけで……!?」
その反応から、司君の凄さを改めて思い知る。
それでも平静を装って、
「私の知り合いで……」
そう告げながらも思った。
勝手に知り合いにしてしまったら、司君困るかな。
でも、それしか説明のしようがないのだった。
私の言葉を受けて、
「ありがとうございます!」
佐藤さんは悲鳴のような声を出した。
続いて聞こえる嗚咽。
人々のその反応を目の当たりにするたびに、司君に無茶をさせてしまったのだと思い知る。
そして、司君が遠くへ行ってしまうようだった。