「え……?」 思わず振り返ると、お気に入りのコートの裾が真っ二つに裂けていた。 「あ……あぁ……」 震えが止まらない。 「高かったのに……」 最悪だ。 この変人、疫病神だ。 やっぱり関わっちゃいけない人だ。 涙を必死にこらえ、変人を睨む。 怒りに満ちた私はもう、イエスマンではなかった。 ……そう、怒りによってストッパーが外れた私は、それを全て変人にぶちまけていたのだ。