ー花奈ー
司君とお茶会だなんて、緊張してしまう。
司君は良家のおぼっちゃまだった。
そして華道以外にも、英才教育を受けているようだ。
「コーラ入れたりしないから安心してね」
司君は楽しそうに言う。
そんな司君に、
「今日は飲む側だよね?」
なんて当然のことを聞きながらも……あの日のことを思い出して笑ってしまった。
あのふざけた司君のお点前、ふざけすぎて面白かったな。
ご両親、真っ青になっていたな。
だけど……今日はきっと、ちゃんとするのだろう。
だって……
会場に入り、どうしようか狼狽える私に、
「まず、受付しないとね」
ぴしっと背を伸ばし、私をエスコートしてくれる。



