「花奈ちゃん、仕事終わったぁ?」 大好きな司君の声が聞こえる。 顔を上げると、オフィスのドアから司君を顔を出し、笑顔で私を見ている。 そんな司君を見ていちいちきゅんきゅんしながらも、 「終わったけど…… なんで勝手に入ってきてるの?」 可愛げのないことを聞く。 そんな私に、彼は笑顔のまま答えた。 「またまたぁ。花奈ちゃん水臭いよ? 俺がこのオフィスに入るの、いつものことでしょ? 誰も怒らないでしょ?」