披露宴を終え、オフィスに戻る私を、 「松島、お疲れ」 いつものように吉川さんが迎えてくれる。 そんな吉川さん、とうとう左手薬指に輝く指輪をはめていた。 それを見て、 「わー!!おめでとうございます!」 彼の幸せを、心から喜ぶことが出来た。 今から思えば不思議だ。 私が吉川さんに惚れていたこと。 それは、遠い昔の出来事のようにさえ思えた。