なるべく穏便に、なるべく何もないうちに逃げようと後ずさりする私に、彼は容赦なく近寄る。 「こんなホテルで働いているなんて、かっこいいですねぇ」 「あっ……ありがとうございます」 「もしかして、英語ペラペラなんですか? 俺、ハワイで全然言葉通じなくて困ったんですぅ」 「あの……いえっ……ブライダル専属なので……」 それで逃げれば良かったのに、気になって聞いてしまった。 「あの……お仕事ですか?」