「ねぇ、花奈ちゃん?」




甘い声で呼ばれ、顔が真っ赤になる。




「可愛いね」




そのまま、司君の手が優しく私の髪に触れ、軽く巻いたその髪を弄ぶ。





やばい、逃げないと。

そう思うのに、金縛りにあったように動けなくなる。

そのまま引き合うように、唇を重ねた。





今まで抑えていた欲望を吐き出すような、甘いキスだった。

身体中がきゅんと音を立て、心臓が止まりそうで、ただ必死に司君を感じる。

息さえ出来ない甘くて激しい時間が終わり、名残惜しそうに唇を離す司君。
「花奈ちゃん……」
少し頰を染め、愛しげに目を細めて私を見る司君が、あまりにも綺麗で色っぽくて。身体の毛穴がきゅーっと収縮する。