一瞬ドキッとしたが、気付かないふりをして、わざと遠くのドアから外へ出ようとする。
話しかけたとしても、恩を売るようだし、会話が続かないかもしれないし……
だが……
「あ!」
彼は嬉しそうに声を上げ、まるで子犬のように私めがけて駆け寄ってきたのだ。
そして、どぎまぎする私に、満面の笑みで言う。
「昨日の人ですよね?
このホテルで働いていたんだぁ!」
なんだ、この人……なんでこんなに人懐っこくて馴れ馴れしいんだ。
少し引きながらも、作り笑いで頷いた。
そんな彼……言動は予測不可能でおかしいが、やっぱりすごく整った顔をしている。
うわー。綺麗な二重だな、とか、鼻高いなんて思って、慌てて視線を逸らす。
昨日だって思った。
いくらイケメンでも、変な人とは付き合いたくない。



