“あなたを愛しています”








ひと通りデスクワークをこなすと、時計は十一時前を指していた。

午後からは打ち合わせが入っているため、早めに休憩を取ろうと立ち上がる。

ハードワークの上、昨夜の余計なお節介のために、身体は悲鳴を上げていた。

その重い身体を必死に持ち上げホテルのロビーに出た時……ふと、ひとりの男性に目が止まった。





黒いコートにマフラーを巻いて、ベージュのパンツを穿いている。

ロビーの真ん中に突っ立ち、吹き抜けを見上げている彼は、紛れもなく昨日の男性だ。

だが、昨夜のアロハシャツの印象が強すぎたため、今日の彼は随分まともに見えた。