そんな中、
「出来たぁ!!」
司君の明るい声が響き渡った。
少し疲れた顔の司君は、ボリューム満点のカラフルなブーケを持っている。
絶妙な色の組み合わせ、花の組み合わせ、それはまさしく芸術だった。
残り物で作ったなんて微塵も思わせないような。
スタイリッシュで斬新なブーケは、申し訳ないが林さんのブーケよりもずっとずっと綺麗で高価にも見えた。
すごい……
やっぱり司君は天才だ……
思わず見惚れてしまった私に、
「花奈ちゃん!
早くこれを届けて!!」
司君が言う。
それではっと我に返り、小部屋を飛び出した。



