カランコエの花


ふと、奈津美の言葉が頭によぎった。

“はるかは結婚願望ないの?早く結婚しちゃいなよ。”


できるものなら結婚したい。安心したい。

でも、相手の同意がきちんとほしい。

あわよくば、何かのイベントとは別で、こんな何もない日に言ってほしい。

だって、その方がよりたくさん思い出が増えるでしょ?


そんなことを考えながら隆太を見ると、やっぱり気恥ずかしくなる。


は「最近、仕事どう?企画うまくいきそう?」

思考を変えようと、なんとなく隆太に仕事のことを聞いてみる。

隆太は、あんまり家に仕事を持って帰ってくることがない。

“家は仕事より、はるかと過ごしたい。だからなるべく会社で終わらせたい。”

そんなこと言ってたことあったなぁ。


隆「大丈夫、順調だよ。でも、もう少ししたら帰りが遅くなることあるかも。」

は「わかった。無理せず、がんばってね。」


部屋の隅にあるカランコエが小さく揺れた。