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次の日、茶々たちが到着するのを待っていると、バイト仲間からメッセージが飛んできた。
『陸奥くん、今日シフト入ってたよね? 小田原さんが、一緒に連れて行ってくれるらしいから一緒に行こう!』
同じ大学のバイト仲間の1人。紀伊(きい)さん。俺より2つ上の先輩。茶々が『トーキョーの女って感じ』と言った人だ。
小田原さんは、居酒屋の社員さん。大学の近くに住んでいるらしく、午後から出る時は学校まで寄って、一緒に車に乗せて行ってくれる。
だから紀伊さんは、一緒に行こうと誘ってくれたのだと思う。
『高校から後輩が来るので、大学受験の会場だけ教えてから向かいます。少し遅れるかもなのでその時は先に向かっててください。』
そう返事をして、茶々たちとの待ち合わせ場所に向かった。
珠理に、茶々たちが来ることを伝えたけど、どうやら午後は4限まで必修科目が入っているらしく、時間が取れないと言われてしまった。
必修科目の単位を落とすのはまずいから、今回は見送り。休み時間に時間が出来たら、来てくれるという。
「あっ、近海!」
大学のバスが止まるところの付近を歩いていると、制服に身を包んだツインテールが大きく手を振っているのが見えた。
それから、横に茶色い髪と、青髪も。
「おお。見つけた。よかった」
「近海、バイトいいの?」
「いい。あと数分時間あるから、場所教えてから行く」
マフラーに、巻かれている。相変わらず寒がりだ。そして、久しぶりに見る制服姿。
初ちゃんもなかなか可愛い顔をしている女の子だから、この3人が立っているとかなり目立った。
初ちゃんとウキョウくんにペコリと頭を下げられたので、俺も下げた。



