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ピンポーンと、インターフォンが鳴ったのは、それから15分後だった。
思ったよりも早く鳴ったその音を聞いて、玄関へ足を運ぶ。
「はいはい、今開けますよ〜」
ひんやりと冷たくなったフローリング。もう、秋というより冬。立派な寒さ。
そんな中、久しぶりの顔が集まってくる。
「…おう、いらっしゃい」
「あ!近海〜〜!」
3つ並んだ顔。
左から、俺の腐れ縁で親友の美濃 珠理(みのう しゅり)。
その隣が、珠理の彼女の桜井 芽瑚(さくらい めご)ちゃん。
そして最後が、めごちゃんの友達で知り合った、三河 瀬名(みかわ せな)ちゃん。
俺の、高校の時の仲良くなった仲間。
「…ちょ、つめてーって。引っ付いてくんな!」
「だって〜!外すっごく寒かったんだもの〜!」
「だからって俺になすりつけんな!」
特に、この腐れ縁野郎・美濃珠理は、普通の一般的な人間とはちょっと違っていて、多分世間からしたら一風変わった人。
近くに寄ってきた冷えた顔は、男の俺から見ても驚くほど整っていて、たぶんそこら辺のモデルさんより美人。
真っ直ぐに俺を見る目は、ほんのりブルーがかかって、それを守るように揃っている睫毛は男のものとは思えないくらい長い。
身長も一般的に高い方であろう俺より高くて、なんだかもう、生きている人間とは思えないほど。
こんな身なりをしてる男。それが俺の腐れ縁で親友と言っているわけだけれど、変わっているのはこれだけじゃない。



