ごろんと転がって、体制を変えた。
今日は静かなスマホを開いて、メッセージの中の、俺たちのグループを開く。
なんとなく思い出ファイルを開いて、そこに入れられたたくさんの写真たちを見ていた。
…高校の頃から、ずっと溜まってきたもの。その中には、茶々の写真もあって。
「…ほんっと、なかなか笑わねーなコイツ」
茶々の笑顔を探すように、指を動かしていく。
俺の隣にいる時は、いつもの少しツンとした顔。それが、めごちゃんや瀬名ちゃんといる時は、少しだけ解れていく。
そして、珠理といる時は、少しだけ口元をきゅっと結んだ、なんとも言えない顔をするんだ。
…分かりやすい。表情が豊かなわけではないのに、考えていることが伝わってくるくらいには、分かりやすい。
「……」
茶々に好きだと言ってしまったけど、たぶん、茶々が俺に振り向くことなんてない。
だって、珠理と俺は違いすぎている。
もう、茶々の中で色々と片付いていることだとしても、俺の中ではどうしても拭いきれない。
…この、自信のない想いに終止符が打たれるのはいつだろうって何度も考えた。
茶々が、俺のことを好きだと言ってくれた日。
長年考え続けた結果、これしか思いつかない。つまり、茶々に振り向いてもらえない間は、ずっとこの気持ちと闘うことになるのかもしれない。
とんでもない人を好きになってしまったと自分でも思う。
親友の彼女だった人なんて。そもそも、初めから間違っていたんだ。
あんな風に、想い続けるんじゃなかった。早いうちに、やめられていればよかった。
「……っ」
でも、やめられなかった。女の人とは嫌ってほど関わってきたのに、この想いが変わることなんてなかった。
結果、茶々の信用を失うだけで終わった。
過去の自分を、ひどく責めたくなる。



