押し付けられるブラシを手に取る。
優しく優しくとゆっくりブラシで茶々の毛を解かしていく。気持ち良さそうに目を細めているから、痛くはないんだろうと安心した。
「うむ、上手いのぉ」
『そうですか??有難うございます』
「手が止まっておるぞ。もっとじゃ、もっと」
『はい、はい』
言われるようにブラッシングしていく。しばらくすると茶々は満足したのか膝の上から降りていった。
「ねぇ、俺もして??」
チョイチョイッと袖を引っ張られ、視線を向ければ大路君が首をコテンッと傾け見ていた。
『え??髪を??』
「そんなわけないでしょ」
何言ってんの??と冷たい視線を向けられた。酷いは……。
「ほら、早く」
痛む胸に手を当てていると、知らぬ間に大路君の姿は可愛らしい猫の姿に変わっていた。



