「ここはねぇ、妖力っていう僕たちの力を少しずつ与える事によって維持してるんだ。だから花は年中咲いてるし、枯れもしない」



一人納得する私の思考が停止する。



『妖、力??』



なんだその凄い力は……。



「そう、僕や千晶、それに陽もね」



聞く話によると、雑草も生えてこないし、この温室も妖力を使って見えなくしてるらしい。万能すぎじゃないだろうか。



「まぁ、霊感のある者には極まれに見えるのだがな」



ガサガサッと植物を掻き分け茶々が現れた。



『凄くいっぱい草が……』



何処を歩いてきたのか、綺麗な毛並みのあちこちに葉っぱがくっついている。



「うむ、朱里やブラッシングをしてくれ」



またゴソゴソと草むらに消えていった茶々は口にブラシを持って再びやってきた。



ピョンッと軽やかに私の膝に乗ると、ブラシをグイグイッと押し付けてくる。



うん、可愛い。