「ったく、お前のせいで最悪だよ」

「え、何で?僕は君のお父様が熱出してる

から看病しようと思って上がらせてもらった

のに」

「嘘つくな。お前ちゃっかり親父に取り入

るつもりだったろ」

「あ、バレた?」

風見はヘラヘラしていて俺の怒りなどどこ

吹く風。驚くほどにあっけらかんとしてい

る。

「全く・・・」

俺は溜め息をつくとキッチンへと足を踏み

入れる。イスに腰掛けると風見も向かいの

イスに腰を掛けた。

「そうだ、もう昼じゃん。何か食う?」

「何でお前が慣れた口調なんだよ」

「いいじゃんいいじゃん、何食べる?」

俺は鞄を足下に置くとテーブルの上にあっ

たチラシを手に取る。

「え、出前取るの?何?何頼む?」

「ちょっとお前黙ってろ。頼むから静かに

しててくれよ・・・」

俺は頬杖をつきチラシに目をやる。チラシ

には全面的にピザの写真が写っていた。

「ピザか~。僕はたこ焼きの方が好きだけ

どな」