【芽生Side】


それから、夏休みに入った。



「柊真っ!」

「芽生。おはよう。」

「ご、ごめんね、遅くなっちゃってっ。」

「大丈夫だよ。」

「服何着るか迷っちゃって…」

「可愛い。」



「嘘!嬉しい……」




そう、私たちは、付き合い始めた。

まだ、柊真のことが好きかって言われると、わかんない。

でも、知りたい。



すると、柊真が指を絡めてきた。

こ、恋人繋ぎってやつですかっ!?


私は、恥ずかしくなって、下を向いた。

「可愛い」


可愛い可愛いっていつも言ってくれるの。



でも、
『好き』『可愛い』

そう言われるたびに
罪悪感か、何かわからないけど
胸が苦しくなるの。



まだ、好きではないかもしれないけど、これから好きになる。


大雅のことなんて、忘れる。



前進。前進。