「……ひどいよ」 わたしたちは一緒に生きられないって分かっている。 だからせめて御崎だけでも生きてほしかった。 生きてほしかったよ。 「う、あ、ああああああああっ」 知らない土地を、走った。 狭い路地を、賑やかな商店街を、車の多い大通りを。 筋肉痛でずきずきと痛む足なんて気にせずに。 叫びながら、走った。 泣きながら、走った。 周りの人はわたしのことをおかしそうに見ていたけれど、全部、無視した。