私はふっと微笑み、答える。
「いちごの味と、チョコの味。甘くて美味しい。…ちゃんと分かるよ」
それを聞いて、隼人君は微笑んだ。
何故そんなことを聞かれたのか、私には分かる。
それは、遡ること1年前。
私が、入院していた頃。
『ねえ、君、美空ちゃんだよね?』
そう言われたのは、私が美花を亡くし、入院していた頃だった。
その頃の私は、精神状態が安定していなかった。
それは、食べ物の味すら分からなくなるほど。
感情も上手く表せなかった。
『…隼人、君…?』
その人は私の親友、愛来の兄。
今から約1年前に事故に遭い、足を怪我して入院していると聞いていた。
(まさか同じ病院だったなんて…)
心の中で驚愕する私をよそに、隼人君は笑いながらポッキーを差し出した。
『ほら、ポッキー。食べよう?』
隼人君が何をしたいのか、分からないけれど。
私は無言でポッキーを受け取り、先をかじる。
『ほら、美味しいでしょ?これ好きなんだよね』
笑ってポッキーをかじる隼人君を、私は見つめていた。
『どうしたの?』
私の様子がおかしいことに気づいた隼人君が尋ねる。
『甘い…?』
『えっ?』
隼人君は怪訝な顔をした。
「いちごの味と、チョコの味。甘くて美味しい。…ちゃんと分かるよ」
それを聞いて、隼人君は微笑んだ。
何故そんなことを聞かれたのか、私には分かる。
それは、遡ること1年前。
私が、入院していた頃。
『ねえ、君、美空ちゃんだよね?』
そう言われたのは、私が美花を亡くし、入院していた頃だった。
その頃の私は、精神状態が安定していなかった。
それは、食べ物の味すら分からなくなるほど。
感情も上手く表せなかった。
『…隼人、君…?』
その人は私の親友、愛来の兄。
今から約1年前に事故に遭い、足を怪我して入院していると聞いていた。
(まさか同じ病院だったなんて…)
心の中で驚愕する私をよそに、隼人君は笑いながらポッキーを差し出した。
『ほら、ポッキー。食べよう?』
隼人君が何をしたいのか、分からないけれど。
私は無言でポッキーを受け取り、先をかじる。
『ほら、美味しいでしょ?これ好きなんだよね』
笑ってポッキーをかじる隼人君を、私は見つめていた。
『どうしたの?』
私の様子がおかしいことに気づいた隼人君が尋ねる。
『甘い…?』
『えっ?』
隼人君は怪訝な顔をした。



