幸せを探して

「まずポッキー、それからジュース…お兄ちゃんココアね。私と美空は紅茶…あとせんべい、チョコレート、飴…」


パンパンに膨らんだ袋。


どれ程のお菓子を買い込んだのだろう。


愛来はお菓子を次々にベッドに置いていく。


「はい!食べよ?」


「「今!?」」


私と隼人君の声が重なった。


「もちろん!」


当然の様に頷く愛来。



そして、私はまたカーテンを閉める羽目になった。


大量のお菓子を看護師さんに見られたらどうなるか分からないと、隼人君が心配したからだった。


大の甘党な隼人君は、チョコレートを美味しそうに頬張る。


その横には愛来が座り、隼人君にリクエストされていたはずのポッキーをかじっている。


そして私は椅子に座り、オレンジ味の飴を舐めていた。



「美味しい!」


愛来がポッキーをかじり、頬に手を当てる。


「うん、愛来の選んだの最高!」


私は風船ガムを膨らませながらそう褒める。


「これ、病院のお店には売ってないと思う!甘くて最高!」


隼人君は愛来を褒めちぎり、愛来は嬉しそうに微笑んだ。


それぞれが異なる感想を言い合い、笑い合った。



他愛もない話をしながらお菓子を食べ、飲み物を飲んでいると、17:30を告げるチャイムの音が鳴り響いた。


時間の流れは、思っていたより早かった。