幸せを探して

「そういえば、愛来は?」


隼人君が急に質問してきた。


「愛来なら、さっきコンビニにポッキー買いに行って…もうすぐ来ると思う」


「そっかー…」


隼人君は天然パーマの髪の毛をいじくり回しながら頷いた。


「ポッキー、何味って言ってた?」


隼人君がきらきらした目を向けながら私に質問してくる。


「いちご味のポッキーだって」


“いちご味のポッキー”という言葉に、隼人君が反応する。


「いちご味!?さすが愛来、俺の好きな物分かってるねー」


そのわざとらしい声に、私は吹き出しそうになる。


すると、


「お兄ちゃーん!」


と、引き戸を勢いよく開け、愛来が満面の笑みで現れた。


「噂をすれば…本当なんだな」


私と隼人君は、目配せして笑いあった。



「ごめんね美空、おまたせ!」


「ポッキーは?買えた?」


私の質問に愛来は頷き、隼人君が座っているベッドに飛び乗った。


「ちょっ、愛来…やめろよ」


隼人君が苦笑いしながら妹を止めるが、愛来は聞き耳を持たない。


「コンビニでポッキー買ったんだけど、お腹空いちゃいけないと思って、他にも買ってきたよー!」


愛来はコンビニの袋の中から色々なものを取り出した。