幸せを探して

隼人君は自分の細い足をさすり、重くなった空気を変えるように明るい声を出した。


「それで、さっきの行動なんだけど…美空ちゃん、あの姿勢のまま動かないでくれると良かったな」


少し上目遣いになった隼人君は、頬を膨らませてふてくされた表情をする。


そんな表情をしていても可愛らしいのは、愛来も同じだ。


「ごめん…分かんなくて」


「教えてなかったしね。まあ今度からやれば大丈夫だよ!」


隼人君は笑ったが、ふっと真剣な表情になった。


「美空ちゃん、またお願いなんだけど…この姿勢からベッドに上がるの、手伝ってくれないかな?」


私は頷いた。


私は隼人君の腰に手を当て、いつでも支えられるようにした。


「そうそう、いい感じ」


隼人君は自分の足を床と垂直になるように立てると、


「いくよ」


と声をかけた。


隼人君は私の助けを借りながらゆっくりと立ち上がる。


私の肩を掴む隼人君の手には、やはり予想以上に力が入っていて。


自分の足を無理矢理、引きずるように動かした隼人君は、そのままベッドに倒れ込むように座った。



隼人君は少し、息を切らしていた。


「美空ちゃん、ありがとね!」


「いえいえ」


私は、緑色のカーテンを開けながら言葉を返す。