幸せを探して

それはあっという間の出来事で。


肩に乗った隼人君の手がずり落ち、隼人君はそのまま床に座り込んでしまった。


いや、座り込んだというより、崩れ落ちたという表現の方が正しいかもしれない。



「あっ、ごめん!」


咄嗟の出来事に頭が追いつかないまま謝る私を見て、隼人君は笑って首を振った。


「ううん、大丈夫だよ。慣れてるし」


最後の方の言葉は、自虐的に聞こえた。


隼人君は動かない自分の足を見つめながら私に話しかける。


「こうやってカーテン閉めてるのはね、人に見られたくないからなんだ」


「えっ?」


何を、見られたくないのだろう。


隼人君は顔をあげ、微笑む。


「ほら、俺って足が動かないでしょ?…ベッドに上がる時だって、本当は誰かの力を借りないといけないんだけど」


あっけからんとした態度の隼人君。


「…そう、なんだ…」


「そういうのって見られたくないじゃん?」


私は頷く。


「だからカーテンで隠してるんだ…」


隼人君は頷いた。


「それに、俺の足ってほとんど力が入らないから…立つのとかものすごく難しいし、バランスも取りにくいからさ…」


私は何も言えなかった。