幸せを探して

身体中をボロボロに引き裂かれたような痛みを感じる。


美花が守ってくれたのにこれ程の痛みがあるのだから、美花はもっとひどい状態なのだろうか。


考えたくもない恐ろしい事。


私は、いつの間にか点滴を付けられていた。


震え、動かない足にむち打ち、私は足を引きずるようにして声のする方へ向かった。


度々吐き気に襲われ、倒れそうになりながら。


世界中が回っているような、そんな奇妙な感覚に囚われながら。



病室の外に家族はいた。


「美花は…?」


お医者さんは黙っている。



私はただならぬ異変を感じ、言われるがままに美花のいる病室へと向かった。


力の入らない手で病室のドアを開ける。


そこには、頭と足に包帯が巻かれ、色々なところからチューブで繋がれて眠っている美花の姿があった。


(死んでない…)


傍から見ると痛々しい姿。


けれど、今は美花が生きていることだけで十分だった。


安堵のあまりへなへなと座り込む。


「心臓の動きが悪く、いつ止まるかわからない状態です」


私は驚いてお医者さんの顔を見あげた。


お医者さんはそんな私を見ながら、とどめを刺すように追い打ちをかける。