幸せを探して

「美花…」


「頭が痛い…、足に力が入らないよ」


美花は、なんでだろ…?と自分の身体を見ようとする。


「あぁっ……」


そして、痛い、痛い、寒い…とうわごとのように呟く。



今では、美花の周りは血の海ならぬ血の雪と化していた。


けれど私はそんな事を全く気にせず、ひたすらに美花と会話を続けていた。


いつ、妹が気を失うか分からない。


このまま妹は死ぬのかもしれない。


そう考えると、1分1秒がとても貴重に思える。


私の事などどうでも良い。


私よりも、美花が優先。


私の目からは止まることを知らない涙が溢れていた。


「何で…泣くの…?」


美花は変わらない笑顔のまま私にそう問う。


痛みを堪えているのが明らかだった。


「だって…美花が…」


「美空…私、死ぬ…かも」


急に、先程とは真逆の事を言い出す美花。


「…何でそんな事言うの…」


私は降り続ける雪が妹の体温を奪わないよう、妹に降りかかる雪を払いながら聞く。


「…何かね、そんな気がするの」


美花の目からも一筋の涙が流れる。


その涙は顔に付いた血と混ざり、赤く染まって雪の上に落ちた。