幸せを探して

しばらく、そのぼこりとした部分を触っていた私は、あることに気がついた。


「美花、泣いたの…?」



もう、美花が現実に現れたとしか考えられない状況になってしまった。


もしもこの手紙が残っていなかったら、夢だと思ったかもしれない。


けれど、この手紙と涙の跡が紛れもない証拠だ。


「美花、泣いたんだ…」


私の事を思って、自分の事を忘れて欲しいといわんばかりの言葉を書いた直後、きっと美花は感極まったのだろう。


私の為を思ったけれど、自分の気持ちに嘘はつけなかった美花。


私は、その優しすぎる心に胸が締め付けられそうになりながら続きを読む。


『でもやっぱり、私の事は思い出して下さい。

忘れ去られると、私も嫌だから。

たまにでいいから、思い出して下さい。

でも、どうか自分を責めないで。

私はあの日、自分の意思で車の方に飛び出してしまったの。

全ては、美空を守る為。

自分の事なんて、どうでも良かった。

あの判断をした私が、私は誇らしいよ。(笑)

あの時、もしも美空を見殺しにしてたらって考えると、今でも恐ろしくなる。


事故の後、美空と沢山話せて嬉しかった。

私、本当は即死状態だったのに。

あんなに長く生きられたのは、美空が私の事を励ましてくれたからだよ。

あの日、美空は自分も怪我してたのに、私の事しか考えてなかったよね。