幸せを探して

皆、美空が心を開いてくれるのを待ってたんだよ。

でも皆、美空にその事を言ったら美空が怯えちゃうんじゃないか、もっと心を閉ざしちゃうんじゃないかって思って、美空に言えなかったんだと思う。

だけど、翔平君は凄いよね。

自分がどうなろうと構わずに、美空の心に寄り添おうとしてた。

多分、翔平君も経験してたからだよ。

お父さんに嫌な事を言われて、心を閉ざした自分と美空を重ねて見たんじゃないかな。

それにさ、翔平君は美空にニゲラの花束をくれたよね。

翔平君、本当に優しいと思う。

私からは言えないから、美空からありがとうって伝えておいて』


「…もちろん、伝えるよ」


美花からの心のこもった手紙を読み進めながら、私は思わず呟いた。


そして、次のページに目を通す。


『美空。

美空はこれからの生活で、また私の事を思い出す時が来ると思うの。

その時に、泣いてほしくない。

悲しんでほしくない。

自分を、責めてほしくないの。

だから、美空。

私の事は忘れて下さい』


「『私の事は忘れて下さい』…?」


私は眉をひそめる。


その部分だけ、紙がぼこりと膨らんでいたからだ。


そのせいで、“私の事は忘れて下さい”という文字が滲んでしまっている。


(ん…?)