けれど陸人の顔からは、いつの間にか笑顔が消えていた。
『俺、どう思う?』
突然の質問に、私達は固まり、揃って首を傾げた。
『凄いと思う』
先に口を開いたのは、私。
『私も言ってみたいー』
愛嬌のある笑顔を見せながらそう言ったのは、美花。
陸人は真剣な表情で問い詰める。
『怖く、ない?』
『え、何が?』
私はきょとんとして聞き返す。
何が怖いのだというのか。
その時の私達の中には、尊敬の念しか生まれなかった。
『…俺、怖くない?円周率こんなに覚えてて、怖くない?』
まるで助けを求めるような視線を向けられ、美花は明らかに戸惑った。
私は陸人を見た。
“怖くない?”
と聞いておきながら、
“全然怖くないよ”
と答えてもらいたいような表情をしている。
だから私は、
『全然怖くないよ』
と答えた。
陸人の表情の事もあったけれど、私は、何故怖いと思わないといけないのか分からなかった。
『…え、本当に?』
陸人が驚いた様な顔をする。
『うん』
そう答えたのは、美花。
『全然怖くないよー!円周率言えるのって、凄いと思うけどなー』
私も言えるようにするもん、と美花は勝手に意気込む。
『本当に、怖くないの…』
美花と私は顔を見合わせ、頷く。
『俺、どう思う?』
突然の質問に、私達は固まり、揃って首を傾げた。
『凄いと思う』
先に口を開いたのは、私。
『私も言ってみたいー』
愛嬌のある笑顔を見せながらそう言ったのは、美花。
陸人は真剣な表情で問い詰める。
『怖く、ない?』
『え、何が?』
私はきょとんとして聞き返す。
何が怖いのだというのか。
その時の私達の中には、尊敬の念しか生まれなかった。
『…俺、怖くない?円周率こんなに覚えてて、怖くない?』
まるで助けを求めるような視線を向けられ、美花は明らかに戸惑った。
私は陸人を見た。
“怖くない?”
と聞いておきながら、
“全然怖くないよ”
と答えてもらいたいような表情をしている。
だから私は、
『全然怖くないよ』
と答えた。
陸人の表情の事もあったけれど、私は、何故怖いと思わないといけないのか分からなかった。
『…え、本当に?』
陸人が驚いた様な顔をする。
『うん』
そう答えたのは、美花。
『全然怖くないよー!円周率言えるのって、凄いと思うけどなー』
私も言えるようにするもん、と美花は勝手に意気込む。
『本当に、怖くないの…』
美花と私は顔を見合わせ、頷く。



