幸せを探して

「俺ら今、体育でバスケットボールやってんだけど。いつだったか、試合中に斎藤が急にしゃがみ込んだんだよ。なあ?」


メガリは大きく頷いた。


「俺のチーム休憩してたから分かるけど、あの時の斎藤、走ってる途中に後ろによろめいて…ほぼ倒れた、みたいになっててさあ」


メガリはジャスチャーを交えながらそう説明する。


岡本は驚いた様にメガリを見た。


初めて聞く情報だったようだ。


けれど、メガリは気付かないふりをして私に向かって話し続ける。


「あの時の斎藤、俺ら汗だくなのにぶるぶる震えててさ。呼吸も早かったし、明らかに苦しそうだったんだよ。…でも、先生が駆け寄ったら、何て言ったと思う?」



メガリはわざとらしく間を空け、声色を変えた。


「『…いつもの事なんで、気にしないでください』って」



私は唖然とした。


(それって…?)


どこかで聞いたことのある台詞。


それと同時に、斎藤君が転入してきたばかりの時の会話が頭の中に蘇る。



『大丈夫!?』

『…ごめん…バランスがとれなくなって…』

『私の家、すぐそこだから寄って行って』

『大丈夫、だよ…慣れてるし…』