幸せを探して

眼鏡をかけていて身体が細いので、皆から眼鏡とガリガリを合わせて、メガリと呼ばれている。


「ほんとほんと。めっちゃ暖かい格好してさ」


次に口を開いたのは、岡本という男子。


「こっちは半袖の体育着に薄いジャージなのにな。勘弁してくれよ、本当に」



私は箒の柄を握り締めた。


(斎藤君が見学?なにそれ…)


もう関係の無い事だと分かっている。


でも、足の付け根から湧き上がってくる好奇心を止める方法を、私は知らない。


「斎藤君が見学って、どういう事?」


とうとう私は、2人の話に口を挟んでしまった。


「ん?」


メガリがこちらに顔を向け、周囲をきょろきょろ見渡して、斎藤君が居ないのを確かめると話し始めた。


「…この頃、あいつ体育見学してるんだよ。なんか体調悪いとか言ってさ。本当に悪いのか知らないけどな」


岡本がそのあとを引き取る。


「それに、なんだかんだ言って保健室行かないけどな。…でも、本当に体調が悪い日があるのは確かだぜ。あいつ、顔色真っ青の時あってさ…」


「そうそう!」


と、メガリも同意する。


岡本は箒の柄に寄り掛かり、私に向かって説明する。