彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

「なにか、願いをひとつだけ叶えてやろう」

切れ長の目を細めて、彼女はそう言った。

「ちょ、ちょっとまって。その前に、君は誰なの？」

僕は、慌てた口調で訊いた。

いきなり目の前に現れた女性に僕の願いをひとつだけ叶えてもらえると言われても、理解ができなかった。

「私は、神様です」

と、女性は平然と名乗った。

ーーーーーー神様？

僕の脳内は、クエッションマークで埋めつくされた。

ほんとうに神様が存在し、願いを叶えてもらえるという現実に、まるで僕は夢を見ているようだった。

「神様‥‥‥‥？」

そう言って僕は、頬を軽くつねった。

頬に軽い痛みを感じたことに、僕はこれが夢ではないことを実感した。

「女性の姿をしているということは、女神様ですか？」

「そんなあたりまえのこと、訊かなくても見たらわかるだろ！」