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診察時間はとっくに終わっていたけれど、あたしの慌てっぷりを見て先生が家から出て来てくれた。


診察室に通されたあしはすぐに包帯を解いて先生に見せた。


けれど、傷口の目はしっかりと閉じられていて、ビクともしない。


無理矢理こじ開けてみようとしたけれど、それでも目は開かなかった。


まさかあたしが夢でも見ていたんだろうかと、一瞬思った。


けれど、あんなリアルな夢あり得ない。


この目は確かに開いて、そしてあたしを見たんだ。


今でもしっかりと思い出すことができる。


「確かに、ちょっと気持ちが悪いよね。切除手術をしてみようか?」


急に仕事になった事を怒る気配もなく、先生はそう言って来た。


「はい」


あたしは迷うことなく、そう答えた。