車の中で薬を塗り、包帯を巻きなおした。


大げさなまま学校へ行くのは嫌だったけれど仕方がない。


「今からだったら丁度お昼休みの時間ね」


車で学校まで送ってくれたお母さんがそう言った。


午後の授業が始まるまで、まだ30分くらいある。


「そうだね」


そう返事をして車を下りようとしたとき、ふと思い出して鞄を開けた。


ペンを取り出して包帯の上から雄生の名前を小さく書く。


これでジンクスも継続できる。


「それじゃ、行ってきます」


あたしはお母さんへ向けてそう言い、車を下りたのだった。