「それでね。沙和に教えてもらったジンクスについて、調べたの」


そう言うと、沙和は無言だった。


何も聞こえて来ない時間が永遠のように長く感じられる。


「あれってさ、両想いになれるジンクスなんかじゃないよね?」


「そうだねぇ」


あたしの声は震えているのに反して、沙和の声は途端に低くなった。


はぁとため息をつく声も聞こえて来る。


「バレたら仕方ないかぁ。アズサの思っている通り、あれはジンクスなんかじゃない。傷口から呪いを入れる方法だった」


沙和が、なんのためらいもなくそう言った。


あたしは体中が凍てつくように寒くなり、返事もできなくなっていた。


今聞いたことが本当のことだなんて、とても思えない。


まだ沙和を信じたいと思っている自分がいる。