お昼ごはんが終わると、ネモは食後のおやつを出してあげました。
今日のおやつはマドレーヌです。


「きっと何か飲みたくなるだろうから、これもどうぞ」


そう言って、いれたてのコーヒーを差し出しました。


「僕の口に入れてよ」


「いいけど、もう火花は出さないでね。絨毯が焦げたら悲しいもの」


ネモがコーヒーを飲ませてあげると、クジラがぶるるっと体をふるわせました。


「にがぁあい!」


コーヒーを飲んだクジラが吹いたものはなんだったと思います?
それはそれは素敵なジャズの音色でした。


「ああ、なんて落ち着くんだろう。それにクセになる」