それぞれペアを組んで捜査を再開する。



「栞ちゃん、ちょっと待ってね。すぐこの資料読み終えるから」



沙也加はそう言って、黙々とまとめられた資料を読む。


手持ちぶさたとなった栞は、苺についてもう一度調べることにした。



それから二時間が経ち、午前十時となった。



「栞ちゃん、聞き込みに行こう」



沙也加はコートを羽織り、部屋を出る支度を始める。



「え、あれ全部もう読み終えたんですか?」



栞は目を見開いた。


そんな栞を置いて沙也加は部屋を出たため、栞は慌てて沙也加を追いかけた。



しかし、栞が驚くのも無理なかった。


沙也加が二時間で読み終えた資料の量は、溢れんばかりに入れられた段ボール五箱分だったのだ。



「うん。ざっと目を通しただけだし。それにこう見えて私、現役のころは超優秀だったのよ。それも隼人以上」



沙也加は胸を張った。


だが、隼人以上というたとえが良くなかったのか、栞は不思議そうな顔をしている。