「でも、四人では手が足りないと思います」



栞はまっすぐに言った。


すると、律がその不安を吹き飛ばすほど明るく笑った。



「それなら大丈夫。警視長もサヤさんも手伝ってくれるから」


「サヤさん?」


「呼んだ?」



栞の背後から、沙也加が耳元でささやいた。


栞は驚きのあまり飛びのいたが、それを見て沙也加はお腹を抱えて笑った。



「なんで……?」



栞は驚きの連続で、簡単に混乱するようになっていた。



「あれ、みんな言ってないの? 私が元刑事だからだよ」



沙也加は今まで隠してきたことを、さらりと言った。



「あー、もう頭が追い付かないです。私はあなたのこと、なんて呼べばいいんですか」


「よそよそしいなあ。まあ、こうなるとは思ってたけどね。サヤでいいよ。みんなそう呼んでくれるみたいだし」



沙也加はそう言って、遥たちと目を合わせた。


みんな首を縦に振る。