「大変です! 岡本が階段から落ちました。今手当中です」
それを聞いて一番に動いたのは沙也加だった。
それに続いて隼人、律に宙が玲斗の横を通り抜けて、部屋を出る。
一方、遥は玲斗のそばに行く。
「今度は何を企んでいる」
玲斗は顔色一つ変えず、遥の目を見る。
「なんのことですか? 俺はただ岡本のことを伝えに来ただけですよ」
二人は睨み合う。
「もうせこい真似はしません。なんてったって相手は優秀な八課なんですから。いつか岡本を追い越してここに来てみせます」
玲斗は実力で栞を抜かそうと決めたらしい。
「いつかお前と捜査できることを祈ってるよ」
遥は玲斗の右肩をたたいて、部屋を後にした。



