「待て待て、なんで俺が苺と桃の親を殺す必要があるんだよ」


「落ち着いて、隼人。今じゃ絶対違うってわかってるから」



そう言われても、隼人は不服そうな顔をしている。



「ただやっぱりね、ちょっと怪しいなって思ったの。被害者家族の娘を預かることにしたって急に言い出すんだもん。普通ありえないでしょ」



それには隼人以外が納得する。



「だから、この子が記憶を取り戻した瞬間に殺す気なのかなって。この子が記憶を取り戻すかどうかを近くで見張ってるつもりなのかなって」



隼人はまるで魂が抜けたような顔をしていた。



「あ、もしかして……」



遥がなにか言おうとすると、ドアが勢いよく開いた。


入ってきたのは、一課に所属している玲斗だった。



「なにしに来た」



遥が玲斗を睨む。



彼を歓迎しない雰囲気が漂う。


だが、玲斗はそれをものともせず、全体に聞こえる声を出した。