「少し休んだらどうだ。あんまり痕詰めすぎるとなかなか考えはまとまらないもんだ。で、今日の飲み物係は?」
隼人は空いているソファがなく、近くにあるデスクから取った椅子に腰かけた。
「あ、そういえばまだ決めてなかった。じゃあ、課長も混じってじゃんけんしましょうよ」
律がなにか企んでいるかのように笑う。
隼人はそれに応えるかのように、腕まくりをする。
「絶対負けないからな」
「最初はグー、じゃんけんぽん!」
宙の掛け声で全員が手を出す。
パー、パー、チョキ、チョキ、チョキ。
負けたのは隼人と宙。
向き合って座っている二人は、睨み合う。
「じゃんけんぽん!」
また宙の掛け声で手を出す。
パーとチョキ。
「やった、久しぶりに勝った!」
勝ったのは宙だった。
宙が喜ぶ中、栞たちは驚いていた。
「あの最弱王より弱い人、いたんですね」



