四人のうしろ姿に見つめていた玲斗に、隼人が聞く。


玲斗は背筋を伸ばし、頭を下げた。



「勝手なことをしてすみませんでした」



謝られると思っていなかった隼人は、きょとんとする。



「僕、一課に配属されて初めての事件なんです。八課のことは噂で聞いていました。岡本もそこに配属されたということも。でも僕、どうしても彼女と一緒に捜査がしたくて……」


「あー、悪いがそのくさい芝居、やめてくれないか」



隼人にそう遮られて、玲斗は固まった。



「え?」



隼人は、そんな玲斗の胸倉を掴んで睨む。



「お前のことは栞に聞いたよ。成績は栞の次でいつも二番。栞に勝つためなら手段を選ばなかった。最低だな。そんな人間が今さら栞と仲良しごっこか。笑わせんな。今度はなにを企んでる」



玲斗は舌打ちをし、隼人の手を払った。


そしてスーツを直す。



「聞いてたんですね、娘さんから。そんなに娘さんが大切ですか」



隼人は玲斗が本性を現したことを、鼻で笑った。


そして得意げに言う。