あれから十年のときが流れ、八課に二人の新人が加わった。



「本日より八課に配属されました、時澤聖です」


「同じく、姫野沙羅です」



栞は新人が聖と沙羅と知らなかったため、驚きすぎて固まってしまった。


遥は事件ではないから、なにも話そうとしない。


そして、宙に任せるという考えがなかった律は新人二人の前に立った。



「はじめまして。私は妃律。それで、あの隅っこにいるのが真瀬遥。普段はあんな感じで暗いけど、事件となったら態度変わるから気を付けてね」



紹介をされたと言うのに、遥は会釈すらしない。



「で、あのバカっぽいのが火神宙。火神って呼び捨てにしても問題なし。あ、沙羅ちゃんはかわいいから、もし口説かれたりとかしたらいつでも言ってね」



沙羅は戸惑いながら、頷く。



「最後に、あそこで固まってるのが岡本栞。結構頼りになる子よ」


「ねえ、妃さん。俺の紹介ひどくない?」



律の紹介の仕方に文句をつける宙は、律に睨まれて一瞬で黙った。