大地は前のめりになりながら言った。
遥は少し身を引いたが、いつも通りに冷たく言う。
「それは無理だ。いくらお前が知らなくても、お前の会社でこのようなことが行われていることに間違いはない。この時点で一番怪しいのは寺崎大地、お前だ。だから真犯人がわかるまで、お前を釈放することはできない」
大地は舌打ちをした。
遥はそんな大地を放って、部屋を後にした。
遥が取調室を出ると、数本の足が目に入った。
顔を上げるとそこにいたのは栞、律、宙。
三人は事情聴取の結果をいち早く聞きたく、遥が出てくるのを待っていたのだ。
「寺崎大地はなにも知らないの一点張りだ。しかし、上の人間が何も知らないってのはおかしい。どれだけ隠れてやってても、あれだけのことしていたらそのうち寺崎大地の耳に入るのも時間の問題ってやつだ。とりあえず秘書を引っ張ってこよう」
「了解」
遥の指示で三人は行動を開始する。
「火神さん」



