私は、彼と話すことはやめなかったけど、その状況を咎めることも、先生に伝えることもできなかった。 ハブられるような友達も最初からいなかったし、何に怯えてたのか自分でもよくわからないけど、とても臆病だった。 もうその頃くらいになると、イチャイチャしてるとか囃したてられるのが気まずくて、だんだん話さなくなってた。 だけど帰り道で二人になってから話すのは楽しかった。 そうだ。漢字のしりとりとか、詩の暗唱、元素記号とか歴史の年号クイズ、そんなこともしてた。 やっぱり彼、頭良かったんだと思う。